溜ゆい・OKINAシリーズ製作

皆さんこんにちは。かなり更新をしていなくてすいません。
ゴールデンウィークはすごい人で平泉町はにぎやかでした。
高速1000円効果があり、県外ナンバー(それも遠くの)がぞろぞろならんでいました。
私の連休はお神輿や行事の手伝いや飲み会等色々ありまして、あらためて
平泉町は【お祭りの町】という表現がピッタリだなぁ~なんて思っていました。
それから盛岡カワトクでの展示会では、ご購入していただいた方、
ご覧になった方ありがとうございました。
迷彩のお皿やOKINAシリーズのカクテルグラスが売れたりしまして、
うれしくもあり、内心びっくりしております。
今日は【溜ゆい】と【OKINAシリーズ】の製作風景の紹介です。
まずは溜ゆいから。
写真の木地が鳴子から送られてきます。木地は水目桜。

生漆にて一度木固めします。

その後全体に錆を薄くのせます。弁柄を少し混ぜて錆をつくりました。
修理のお椀も一緒に作業しています。

このようにお椀を作る工程と同じことを溜ゆいでもやっています。
作業の中で一番面倒なのは、研ぎです。通常はロクロを使って
お椀なんかは研ぐんですが、すべて手研ぎです。これは漆器を製作して
いる方しかわかりませんが、やっかいです。小さいし、固定できないの
で…。
こちらはOKINAシリーズの塗り風景。
三脚を買って自分撮りしてみました。カメラが苦手で誰も撮って
くれないので。でもおかげで慣れてきたので今後は自分で色々
イメージ通り撮れるかな。

実はOKINAシリーズも手研ぎなんです。自分でデザインしておいて
言うのもなんですが、面倒です…。ステムの部分には細かい持ち手や
5mmほどのほそい部分もあるので、慎重にせこせこ細かい部分を
ペーパーと砥石で研いでいます。
もし機械を使うとホントに薄く、ほそく挽いてもらっているので、
割れがはいってしまうと思います。
研ぎ風景。右下にちょこっと見える溜ゆいは、工程が進んで黒く塗って
研いであります。

よくお椀と比べてなんで価格が違うんだ??といわれますが、
説明したように、研ぐときにロクロ機械が使えないんですよ…。
しかも漆器製作では絶対にお客さんからは見えませんが、下地と
と同じく<研ぎ>が重要なんです。研がないと漆の結びつきが強固
にならないんです。
そんなところも理解してもらえるとありがたいです。
それではまたまた。
平泉町では今月はもう一つ大きなお祭りがありまして、
24日に毛越寺にて【曲水の宴】があります。
しっとり優美なお祭りです。ぜひお越しください。

投稿者プロフィール

翁知屋 5代目 佐々木 優弥
翁知屋 5代目 佐々木 優弥
昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。