当社製品に関して、秀衡塗の伝統的な技法と翁知屋が培ってきた技法
<うるし 天然木 金箔 日本木地加工・花塗り手塗り うるし絵付け>
を基本構成とし、ほぼ全ての品物をこれらの塗料・材質・技法で製造販売しています。
ただ、他の塗料・材質の特長を活かした品や表現、お土産用価格帯製品が一部販売しています。
品物の製造内容をしっかり品質表示し、お客様へ提示販売しています。

<塗料について>

翁知屋・秀衡塗の品物はうるしを基本塗料としています。
必要な表現、価格帯により、使い分けをしています。

うるしはうるしの木の樹液を加工した天然樹脂塗料。
当社のうるし塗装は、日本国内のうるし精製業者が販売している中国産うるしを 主に使用しています。
お客様の要望と予算に余裕が有る場合には、日本産うるしで塗装しています。

うるし塗料のメリットとしては、美しい塗装面、食器としての安全性と耐久性、 塗り直しがきく、木材にあう堅い接着性、数千年と使われてきた塗料としての実績 があります。

カシューはカシューナッツが原料の塗料。ウレタンは化学塗料。
うるし塗装ではできないクリアーな表現、例えば白檀塗装(箔を透かす技法)、
金額で求める記念品需要(3,000円~5,000円)に応える品物の製造で使っている

<材質について>

翁知屋・秀衡塗の品物は天然木・無垢材を基本材料としています。
必要な表現、価格帯により、使い分けをしています。

翁知屋・秀衡塗の品物の主な材質は天然木・無垢材のくりぬき・指物加工です。
天然木・無垢材を主原料とすることは、品物の販売価格も高額になりますが、伝統工芸品秀衡塗・各工程の職人の技術維持を目的に、翁知屋ブランドとして高品質の製品を出し続ける為に使用しています。

天然木のメリットとして、手に持っても熱くない、優しい口当たり、保温保冷効果 破損しても修理可能など、お客様が使っていく上でも大きな利点があります。
(基本 原木)
栃・けやき・朴・ミズメザクラ・栓 など、日本国内の天然木を加工しています。

合板は薄い天然木板を重ね接着剤で固めた材料です。
メリットとしては、変形がないことです。
その特長を活かし、変形がおこると困るお膳やお盆・箱物の 蓋板・底板 などに使われます。

木粉加工は天然木を粉末状にし、接着剤と混ぜて、型で固めた材料です。
メリットとしては、変形がないことです。
その特長を活かし、変形がおこると困るお膳やお盆・箱物の 蓋板・底板 などに使われます。
天然木・合板より安価で、短期間で量産が可能です。

ABS樹脂はプラスチック製品で、樹脂を型で固めた材料です。
メリットとしては、変形がないこと、安価に製造可能です。
天然木・合板・木粉加工と比べると、電子レンジや食器洗い機で高温でも使用可能、落としても壊れない、販売価格は安価、短期間で量産が可能などの利点を考慮して、飲食店用の什器などにお薦めしています。

<金箔・金粉について>

翁知屋・秀衡塗の品物は石川県金沢市の純粋な金箔を基本材料としています。
金粉は蒔絵をする時に純金粉を購入しています。
必要な表現、価格帯により、使い分けをしています。

金箔は、石川県金沢市から純粋な金箔を購入し、秀衡塗の特徴である有職菱紋(菱形紋様)を製作しています。
また、オーダー加工の金文字や名入れにも、金箔を使用し、華やかに仕上げ ています。
金の光具合は、金粉より華やかな光があります。

金粉はうるし材料業者から購入しています。
金粉は主に蒔絵をする時に使われ、オーダー加工で使用しています。
翁知屋では、蒔絵技法を3年間都内のうるし工房へ通い勉強してきました。
平蒔絵・高蒔絵・梨地・研ぎ出し、各蒔絵技法で表現した品物の製作も可能です。

代用箔/代用粉はうるし材料業者から購入しています。
簡単な名入れ、安価なお土産品に主に使用しています。
白檀塗装の箔は代用箔を使用して表現しています。
純粋な金箔と光具合が違うので、すぐに見分けが付きます。

<木材の加工>

翁知屋・秀衡塗の品物木地は、岩手県・秋田県・福島県・石川県の木地師へ、ろくろ挽き、指物加工を依頼しています。
それぞれの木地師で得意とする加工が異なる為、日本全国の上手な職人へ依頼しています。

岩手県・秋田県・福島県・石川県の木地職人へ加工を依頼しています。丸物・指物・ねじ切り・縦木横木、各職人により得意分野が異なります。
秀衡塗以外にも、多くのオーダー品製作依頼が来ている為、日本全国の上手な職人へ製作依頼をしています。
日本の木地職人は美しく仕上げることに誇りを持っているので、木肌がみえる拭き漆仕上げでも、刃物の跡が残らないように仕上げられてきます。
日本のものづくり伝統工芸品や職人技術継承と翁知屋のブランド品質を保つ為に日本国内での木地加工品を主に製品化しています。

日本の会社が海外へ生産拠点をもち、漆器製作している品物があります。
これらの木地を購入し、日本国内でうるし塗装して製品化している品物もあります。
メリットとしては、低価格帯で販売することができる以外に、将来的な日本国内での原材料の枯渇や職人の減少に対応できるように備えています。

<上塗り 技法>

翁知屋・秀衡塗の上塗り技法は、職人が刷毛で塗る花塗りを基本に、木目を出す拭き漆で仕上げています。
カシュー・ウレタン塗料は、エアーガンで仕上げています。

上塗り専門の職人に依頼して仕上げます。
同じ漆でも季節によって固まる時間が変わるため漆の調節を常に気にかけ手います。塗る前は、塗り部屋を隅々まで掃除、塗る品物もしっかり掃除します。
漆刷毛を使い、ゴミやほこりが付着しないように、漆たれや漆貯まりに注意し、刷毛ムラにも気を遣いながら、1回勝負で仕上げていきます。
漆工程の中で、一番難しい工程の一つです。

綺麗な木目を活かした漆仕上げの技法をふき漆とよびます。
刷毛で漆を塗り、すぐに刷り込ますように拭き取ります。
けやき・栓の木ははっきりとした木目が特徴で、ふき漆で仕上げることが多い材料です。
栃や朴の木は、漆のしみ込みが均一でない為、渋い仕上がりになります。

カシュー・ウレタンの塗装はエアーガンで仕上げて行きます。
下地を透かせるクリア仕上げの場合や低価格で数を仕上げる場合には、この方法が適しています。

<絵付けについて>

翁知屋・秀衡塗の絵付け技法は、職人が菱形の金箔の源氏雲と子孫繁栄や豊作の願いを込めた草花を漆絵で描いています。
金箔は漆の乾き加減を見ながら、一回で菱形に貼っていきます。

秀衡塗の絵付け作業は職人が蒔絵筆を使い、手描きしています。
金箔を使った有職菱紋は、漆で雲模様を描き、その漆の乾き加減をみながら、金箔を四つ菱状に貼っていきます。
秀衡塗で描かれている草花の模様は、古代秀衡椀を参考に、子孫繁栄や豊作の願いを込めて製作されています。

日本で独自に発達した表現方法です。中尊寺金色堂の蒔柱には数々の蒔絵表現が施されており、約1000年前に平泉町に最高の技術を有した職人がいたことが証明されています。
蒔絵筆を使い漆で薄く均一に描き金粉を蒔いてしっかり乾燥させます。
金粉がとれないように上から漆で固めて、仕上げに磨いて金粉を光らせます。

中尊寺金色堂に使われている表現方法です。中尊寺金色堂には沖縄から貿易で取引していたと言われる夜光貝が使われています。
現在は薄貝が主流となり、夜光貝の他にあわび貝なども使われています。
翁知屋では専門の職人が膠で貝を貼り付ける伝統的な技法とレーザー彫刻機を使って埋め込む技法を品物によって使い分けをしています。