JODO JAPAN プロジェクト

皆さんこんにちは。
今回は平泉商工会を中心に、中小企業庁の助成事業・地域資源∞全国展開プロジェクトの認定を受けて、商品開発をしてきましたプロジェクトの紹介です。
平泉町が世界遺産に向けて、中尊寺・毛越寺を中心とする遺跡群と共に、『浄土思想』をテーマに掲げています。ただ思想なので、なかなか理解を共有することも難しい現状もあります。
そこで今回、<浄土を五感で捉えることのできる商品>をコンセプトに、6月ごろから開発をしてきました。
私の担当は『触れる浄土』ということで、秀衡塗の技法を基に、漆独自の色<溜色>を使い髪を束ねるアクセサリーと、秀衡塗の象徴の菱紋をワンポイント使い、こけしの蓋をのせ小物入れを創りました。
これら二つの商品に『JODO JAPAN』というタイトルがついています。
JAPANは漆器という意味があり、浄土の漆器という意味です。
国内外から平泉町に観光に来る多様な価値・宗教観を持つ人々に、浄土を共有できる商品を製作することができたと思います。
私自身、平泉町にきた方々が、ここに漆の文化があるんだということを金色堂と、手に取りやすい現代を意識したこの商品を通じてわかっていただけるといいかと思っています。
今回の『JODO JAPAN』のロゴ。

『溜ゆい』。
溜色とは下に朱などの色漆を塗り、その上からスグロメ漆という透ける漆を塗り重ね、下の色が透けるように塗った色です。ただ漆自体が飴色をしているのでクリアにはならず、漆独特の紫がかった風合いに仕上がります。

『玉小箱』。
秀衡塗と鳴子こけしの技術を持ち込み、アクセサリーを入れるインテリアも意識した小物入れの提案です。特に平泉町を訪れる外国人を意識し、こけしの蓋には、見てすぐに日本を感じてもらえるようにしました。
下には秀衡塗の菱紋もしっかりいれて平泉を感じてもらいたいと思います。

どちらも持ち帰れるように小さい商品を意識しています。それから身につけられる漆、インテリアとしての漆という、従来『食』と切り離せなかった漆に別な視点を見つけ、冒険をしてみました。
世界中の様々な方々からどのようなご意見が出てくるか楽しみです。
それではまたまた。

投稿者プロフィール

翁知屋 5代目 佐々木 優弥
翁知屋 5代目 佐々木 優弥
昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。

JODO JAPAN プロジェクト”へ0件のコメント

  1. おぐ より:

    初めまして、おぐと申します。
    漆製品と言いますと、器やお盆など、限られた用途の物しか知りませんでしたが、こんな身近な所にも用いられているのですね。
    「溜ゆい」に一目惚れしました。
    デザインと色を選ぶ事が出来れば、洋服にも合いますし、落ち着いた雰囲気なので、仕事中も身に付けていられます。
    日本人でも、欲しくなります。
    販売予定など、今後の情報をチェックしたいと思います。

  2. YUYA@翁知屋店主 より:

    おぐさん、はじめまして。
    コメントありがとうございます。
    「溜ゆい」は女性がドレスアップしたときや、普段の生活の中で、少しでも和のものを身に着けてほしいと思い、開発提案しました。
    洋服<コートのボタン>やカバンにつけてもいいなど、さっそく様々な反応があり、うれしく思っています。
    色や文様は当然オーダーできるようにして、オリジナルのおしゃれを提案して、販売できればと考えています。価格は5000円~にしていました。
    1/23~25まで東京六本木ミットタウンで開催する<和NEXT~新しい伝統工芸~>にも出品しますので、もしお近くでしたら見に来てください。
    漆器や和の物に興味がないのではなく、製作する側と使い手のちょっとしたズレが原因だと思います。そこを少しずつ近づけていって、従来の漆器の良さなどにも目を向けてもらえるきっかけになればと考えていました。
    <溜ゆい>をつけていると、安心したり、元気になったり、仕事がはかどったり、日本人の女性として誇りがもてたり、自慢ができたり、そんな物になったらいいなと期待しています。
    今後もよろしくお願いします。