漆器の修理パート2

皆さんこんにちは。
暑いですね~。
今日は漆器の修理パート2です。いま丁度色々と持ち込まれているので、
職人さんに教えながら修理しています。
お椀の欠けの修理。床に落ちて欠けてしまったとのこと。
割れてしまった木の部品がなくても大丈夫!!
木地で挽いたもので、虫食い等があり、塗りができないものをとってるので、
こういうものを再利用しています。
白木のぐいのみ(左のモノ)を糸鋸で、お椀(右上)の欠けと同じような
大きさにカットして部品(右下)を作る。
もちろんお椀の欠け、木地部品どちらも、くっ付けやすい様に
丸く加工しています。

この部品を糊漆で接着。このまま1週間以上放置します。
この後、すき間にうるし錆で面を整えて、それぞれの色に塗って
部分修理完成です。

移植手術に似ているかもしれませんが、一般的に木地の段階で悪いものは
捨ててしまわれますが、ウチではこんな風に再利用してます。
こちらは上記の写真に比べると楽な修理。縁周りが所々傷んでいるので、
漆錆をつけて高さを整えているところです。この後黒く塗っていきます。

こちらは内側の割れを下地からお直しをして、上塗りしたところ。
2年目が始まったばかりの職人さんですが、塗りのコツを素直に聞き入れて
くれ、今回トロ~っときれいに上塗りできてました。修理した箇所もわかり
ませんね。
もっと数をこなして慣れてきて、自分の感覚でわかるといいと思ってます。

ちなみにお値段は、今回の欠け部分だけの部分修理だと、3000円~
4000円ぐらいです。縁まわりを整えるだけならもう少し安いです。
最後の、内側前面の塗り直しだと、6000円ぐらいみててもらいたいです。
もっと下地や木の割れがボロボロだったりすると手間もかかるので、
お値段もまた変わってきますが、参考までに写真のような修理だと
上記の金額ぐらいです。
それではまたまた。

投稿者プロフィール

翁知屋 5代目 佐々木 優弥
翁知屋 5代目 佐々木 優弥
昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。