現在の作業状況

皆さんこんにちは。
雨・雨・雨、晴れた!と思ったらまた雨。正直うるしの調整に迷惑です。
何とか天候が落ち着いてほしいです。
今日は翁知屋工房内の製作状況を大公開です。
私と伝統工芸士の菅原さんとで色々と制作しています。もちろんこのほかに
木地師さんやら塗り師屋さんやらに頼んだりして、商品が出来上がってくるのですが。
まずはOKINAシリーズから。これは私が塗っています。
頼まれたのが2週間前で、ちょうど最後の上塗りの一歩前の工程まで仕上がったのがあったので、この形でいいということでシンプルに朱と黒でペアで仕上げました。
お客様のお知り合いの若い方がご結婚されるということで、プレゼントだそうです。ぜひ夫婦の記念日なんかにおいしいワインなんかを買ってきて使ってほしいなぁ~。
インテリアとして置いていてもゼッタイかっこいいはず!!(箱に仕舞われている現状の漆器。かっこよければ飾ってくれるはず。OKINAシリーズはそんなところを意識して製作しているので。)

かっこよく名前を入れてくれとのことで、ローマ字を自分なりに崩して名入れしました。今後朱の色が段々と発色してきます。<掲載許可は連絡済です。>

こちらは来月10個ほど注文予定のOKINAシリーズ。
様々なパターンで塗っていますので、それぞれ一品ものです。
木地の木目を透かせる塗りも、朱の着色や拭き漆をしてから上塗りをかけたり。

こちらはシンプルにブラックで。でも表面に和紙を張ったりしています。
ちょっとピンボケしてしまいました。

こちらは人気シリーズのビアカップ。夏に向けて100個製作中。
ビールのほかにも焼酎やお茶、冷たいものでも熱いのでもおいしくいただけます。天然木の保温効果により、冷たいものはガラスよりも氷が解けにくく、冷たさが長持ちします。もちろん温かい飲み物は冷めにくいです。
天然木と布がかもしだす渋い色合いが人気です。

こちらも人気の八角形のお箸。100膳製作中。

こちらは下地工程からたびたび登場していた蓋付の片口。
口を付けて一年近く十分に乾燥させ、3回塗りをして、縁には布を張り。
100年以上もつはずです。今は布目を埋めています。この後、2回ほど中塗りして上塗りになります。50個ほど製作していますので、古典的な秀衡紋様と斬新な塗りの両方を製作する予定です。

こちらは右側が片口の蓋で左側が布張りのお椀。
お椀は少し変わった塗り方をしてみようかと思っています。

こちらは翁知屋が伝統的に製作している銘々皿60枚。
上塗りをするだけです。

ここからが新作JODO Japan商品候補。
九州は長崎三河内焼きの伝統窯元「平戸洸祥団右ェ門窯」の太陽君に
お願いして一緒にコラボしているペーパーウエイト。
漆ではゼッタイに出せない「白色」を、磁器の専門家太陽君に相談してサンプル製作しています。漆の色の中でもスキッとした色との相性が抜群なんじゃないかと考え中。
南部鉄器の友達の業者とも同じ形で製作依頼をしています。
磁器とのコラボは白を基調に使われる方は女性を意識して、「涼しげで可愛くさわやかに。」和菓子のようなかんじに。
南部鉄器とのコラボはゴールドやシルバー使って男性向けに、「渋く奥深く。」
凹みはペンや筆置きとしておしゃれに見えるように考えています。
大きさは消しゴムを参考にしています。
写真は黒を塗ってみましたが、ピンクやグリーンもいいと考えています。

もう1つは「帯止め」のマーブル塗り。ちょっと赤系しか机になかったのですが、ブルーやグリーン、パープルなどバリェーション豊かにサンプル製作しております。
黒の小さい板はサンプル製作中のストラップ。平泉バージョン。

長くなりましたが、このような感じで製作しております。
明日は海外<イタリア>在住のデザイナー、富田一彦さんとお話しする予定になっています。きっと刺激的な一日になるはず。いつかは海外に商品を持っていって、世界中の器と日本の漆器代表として世界中の市場で堂々と戦いたいと考えていたので、本当にどんなお話を聞けるのか、今から楽しみにしています。
それではまたまた。

投稿者プロフィール

翁知屋 5代目 佐々木 優弥
翁知屋 5代目 佐々木 優弥
昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。