東京蒔絵教室 5日目
皆さんこんにちは
今日は東京の蒔絵教室についてです。
今回は仕上げの粉固めの方法を習いました。
蒔いた金を上からコーティングするのだが、【生漆・スグロメ漆・梨地漆】とのせる漆を変えたり、のせる作業自体も綿で
刷り込む方法、紙で余分な漆をとる方法と色々教わる。
先生が作った仕上げのサンプル板をみせてもらう。
金粉の形や大きさの違いで、おおよそ50種類ぐらいあるようだ。
今習ってる蒔絵の基本、平蒔絵は、〈図案 × 描く漆 × 蒔く金 × 固める漆〉の掛け合わせにより、表現が無限にできる。
さらにもっと高度な技法があり、研ぎ出す蒔絵方法、立体感を出す蒔絵方法と掛け合わせると無限の組合せになる。
平安時代ごろから始まったと思われる日本独自の蒔絵技法が、それぞれの時代の職人の研鑽により進化しながら、1200年かけて
継承されてきてる。
はっきりいってプロでも作業工程や技法を確立して作業したり、品物を見分けたりするのが難しいのだから、一般の人は
ワケワカンナイってなりますよね。少しの模様でもやたら高額だなぁって、思うだろうな。
でも印刷ではない、本物の蒔絵だと、やっていることは手間がかかっていますよ。
本物の蒔絵技術に関して、国の文化財修復保存以外には、興味があって、色々理解した上で、技法やデザインなどが気に入って
価値を見いだせる人や美術コレクターにしか、販売ルートがない理由もわかる気がします。
少しでも蒔絵が理解してもらえるように書いたら、長くなりました~。
地元平泉にある中尊寺・金色堂はこれらの蒔絵技法の他、螺鈿や象嵌技術などの無数の掛け合わせで、表現されています。
詰まっている技は、他に類を見ない、世界最高峰の工芸品のようなお堂だと思います。
それではまたまた。
投稿者プロフィール
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昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。