金箔コーティング実験

皆さんこんにちは。
今日は先週都立技術センターから教わった塗料(ウレタン系)を仕入れて、
金箔のコーティングの実験をしてみましたので報告です。
一般的にうるし面の上は他塗料がのらないのですが、しっかり固まったので、
一人でテンション上がってしまいました(笑)。
艶の調整も可能だし、食品衛生法をクリアーしている塗料だから、
安心して使えます。
先ほど摩耗強度を試してみましたが、しっかりとセロハンテープを貼っても
はがした時に金箔に影響が出ませんでした。
これから砂消しゴムみたいなものでカリカリしてみます。
紫外線も直射日光にあててみています。
予想では仕上げに2回この塗料でコーティングするとかなり強度があるモノに
なりそうです。手作業が入るので少し価格が値上がりしますが。
アイホン4のカバーで実験。

使い慣れてきたら、今後、携帯ストラップやアイホンカバーなど、
装飾品類に金箔使っても安心できます。
金箔のコーティングに関しては、伝統的な手法(漆だけでどうにかすること)
だけでは難しい部分で、長年悩んでいました。
金箔の上からうるしを塗って抑えても、金箔のキラキラ感が、黄色や飴色
がかってしまいます。1回では決して強い塗膜ができるわけではないですし。
2回3回塗り重ねるとなると、もう金箔をはってるのかわからなくなりますし。
本当は品物を使いこなしてきて、金箔がはがれてくる、わびさびの感じを
楽しんでもらうことが、秀衡塗が評価されてきたことなのですが。
この塗料が使い慣れてきて、技術が確立すれば、今のところ装飾品には
このコーティングをしたいと思っています。
食器に関しても、食品衛生法を通過しているので、お好みに応じて対応
したいと思っています。
京都で修復現場を見てヒントをもらい、都立技術センターに具体的な
アドバイスをいただいて、今後はどんどん製品化をしていきたいと思います。
金箔を使った豪華絢爛な品物も怖がらないで製作できそうです。
それではまたまた。

投稿者プロフィール

翁知屋 5代目 佐々木 優弥
翁知屋 5代目 佐々木 優弥
昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。