世界最高峰のデザイナー マーク・ニューソン氏デザイン【aikuchi】2013~2014年製作

世界最高峰のデザイナーといわれるマーク・ニューソン氏が当社に来られたのは2013年の春だったと思います。
東北経済局の補助事業を受け、日本刀を創り出すというプロジェクトに選ばれ、当社が提供できる、
うるし塗りと絵付けをお互いに確認してもらいました。

【マーク・ニューソン 氏】
オーストラリアのプロダクトデザイナー ロンドン在住
活動拠点は、ヨーロッパ、北米、アジア、オーストラリア。

流線型や円形を多用し、多様な色使いをする。
作品はMoMAやロンドンのデザインミュージアムをはじめ多くの美術館でコレクションされ、デザイン・オークションの分野で史上最高値で取引されるなど、文字通り時代を代表するデザイナーとして活躍しています。
ニューヨーク美術館やロンドンのデザインミュージアムの永久収蔵品に選ばれた作品があります。

紋様のデザインは、海外よりデータで送られてきて、こちらもAdobeのソフトで正確な文様を起こして作業してきました。

細胞を意識したデザイン案、正確な線と丸を繰り返し描いていきました。
特に曲面に絵を描くことは大変な苦労がありました。

下地には、布張り加工を行いました。これは木の変形が起きないように、がっちりと固めるような加工になります。

長刀、短刀すべての木地に布張り加工を施しました。
蒔絵も、手書き・純金紛を使い、一本一本線描きと丸書き、をしていきました。

手書きをアップで見せると、このような感じです。黒塗りに金のラインと朱のドット。
秀衡塗のカラーともリンクしてきます。

このオーダーメイド製作に関しては、海外デザイナーがどのような目線で、品物を製作していくのか、デザインしていくのか、
かなり勉強になりました。
また、自分にどのような技術が足りないのか、気づくきっかけになり、この後3年かけて東京に【蒔絵の技術】を習いに行くことになりました。

投稿者プロフィール

翁知屋 5代目 佐々木 優弥
翁知屋 5代目 佐々木 優弥
昭和53年6月17日生まれ
岩手県平泉町にて伝統工芸「秀衡塗」の製造販売。
天皇皇后両陛下の御用食器一式や皇太子殿下献上品、伊勢志摩サミットG7各国首脳の贈呈品に採用、国内外のデザイナーとの創作品も手掛けグッドデザイン賞も獲得するなど高い評価を受けている。